浅葱色の魁






〝会いたい〟






高潔兄から指定された場所に行く

誰にも見られないように
陽乃に見張りをたのんだ




「兄上」


「久しぶりだなぁ~平助!
少し背が伸びたか?
お前の活躍は聞いているよ
元気そうで何よりだ」


わしゃわしゃと頭を撫でる
高潔を見上げた


「兄上も元気そうで、良かった!」


「平助… 名前を変える気はないのか?」


「……藤堂を名乗るのは、迷惑!?」


「そうじゃない!
お前の身を案じている!
お前が逃げた後、家臣の遺体が見つかったと知らせを聞いた時
どんなに心配したか…
こうして生きて、また会えた事が
どれほど嬉しいか」


「俺も…嬉しいよ!」


「平助…名を変えれば、我ら兄弟の誰かに嫁ぐことも出来る
ずっと一緒に暮らせるんだぞ?」


「……」


「平助 眠れているか?
目の下にクマがあるぞ?
男所帯で、警戒して熟睡出来ないんじゃないか? それに…痩せただろ」



「兄上 お願いがあります」



真剣な平助の眼差しに
一瞬、目を見開き 
ふわりと笑う



「言ってみろ」


「何か身につけるものを作って下さい
兄上は、昔から器用だから
出来れば、兄弟で持てるように5つ」


「それは名案だ!考えて作っておく!
来月また会おう!」


「はい」











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