極悪プリンスの恋愛事情


「そう言ってもらえると嬉しいね。花野井ちゃんのために個室の予約を取ってよかったよ」


岸本くんがにこりと笑った。


彼の言う個室の予約とは、生徒達が自由に使える自習室のこと。

図書室の奥に数部屋用意されてあり、テスト期間は人気が高くて予約を取ることが難しい。


だから、てっきりオープンスペースで勉強をすると思っていたのに、テスト期間中の個室予約を2週間分取ってくれていたことに驚いた。


「すごいね」って言ったら「司書の先生が良い人でよかった」と、意味深な答え方をされた。


理由を聞こうと思ったけど、それ以上詮索するのはやめておいた。

なんか怖いし。


「あ、そういや花野井ちゃんは冬休みの予定って何かあるの?」

「え、予定?」


ふと聞かれた質問に首を傾げた。


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