極悪プリンスの恋愛事情

隠し事




冬休み明けの登校日。

正直どうにか理由をつけて休みたかった。


都合よく熱でも出てないかと体温計で測ってみたけど、虚しいくらいの平熱。


はぁ……。

行かなきゃだめだよね。


重たい足をズルズル引きずっていつも通り学校へと向かう。


下駄箱で会った皐月の第一声が「テンション低くない?」だったから、よっぽど暗い顔で歩いてたんだと気付いた。


もちろん皐月にはクリスマスのことを報告してあるし、たくさん慰めてもらった。

話せて楽になっとはいえ、直接本人に会うのはやっぱりまだ怖い。


だから、プレゼントして貰ったマフラーも結局巻いてこれなかった。


凛くんとの思い出で残っているのは交換したカーディガンだけ。

もちろん今日も着ているけど、ブレザーで隠すように全てのボタンは留めてある。



………今日、どんな顔して凛くんに会えばいいんだろう。



頭痛が止まらず机の上に突っ伏した。


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