「通常、初顔合わせとなる見合いで……これを我々はファースト・ステージと呼ぶのですが、ここで双方が気に入れば、セカンド・ステージに移り、仮交際がスタートします」

土田さんが、「赤尾さんは現在、この段階です」と言う。

「仮交際中のデートは、普通二・三回です。そこで、結婚を前提として付き合う意思が芽生えた方のみ、サード・ステージ、本交際が始まります」

この『結婚』有りきの交際が恋愛と違うところです、と土田さんが言う。

「そして、お互いの意思が定まったところで、ご家族の登場となるのですが……早くもお身内の登場ですか……」

土田さんが渋い顔をする横で、公香はマズイことになったと、すまなそうな顔をする。

どうしてこんな状況になったかというと、公香に誘われ一階のメロディーで、お茶をしながら昨日から今朝にかけての話をしていたのだが、たまたま、すぐ側に居合わせた土田さんに話を聞かれてしまった、という実にお粗末な話だ。

「はぁ、でも、これは一種の人助けでして……」

じゃないと犯罪者を作ってしまう、と言いそうになり、言ってしまったら、個人情報云々でこちらが訴えられると口籠る。