お見合い結婚狂騒曲
彼の確信に満ちた物言いに、土田さんは大きく頷く。

「でしたら、よろしいです」

エエッ! それでいいのか!

「まぁ、圭介としては、瑠璃との結婚はあり得ないわけだし……あっ、お前、もし、地球上に真央ちゃんと二人だけになったら、真央ちゃんを抱けるのか!」

エエッ! 第二弾。真斗さん、何を言う!

土田さんも、どうやらその話しを知っているようだ。ワクワクと瞳を輝かせ答えを待っている。このところ、土田さんの印象がガラガラと崩れていっている。

葛城圭介の視線が隣に座る私に向く。
そして、ウーンと渋い顔になる。

「ーー抱けない事もないが、抱けないかもしれない」
「何だ、そのあやふやな言い方」
「彼女の声、祖母様なんだよ。真斗、お前、自分とこのお祖母さん抱けるか?」

「ちょっと待って下さい!」と土田さんが眉間に皺を寄せる。

「それ、ダメです。致命的にダメです」
「そうだよなぁ、夫婦生活できないんじゃ、すぐ破綻するよなぁ」

真斗さんもコクコク頷く。
この人たちって……溜息も出ない。

「あのですね、取り敢えず、一ヶ月後のデートまで、お元気で、さようなら」

もう、口もききたくない、とその場を後にする。
背中の方で、皆んながそれぞれに何か言っているが放置だ。



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