「葛城圭介先生……」
「圭介君だ」

イヤ、今は呼び名はどうでもいい。

「ディナーと仰っていませんでしたか?」
「言ったが、何か?」

何かって、何考えてるんですか!
またもやプライベートジェットって、おまけに行き先は北海道。

「先日のリベンジだ。この間は時間がなかったからな。今日は馴染みの店で北海道を食べ尽くそう」

開いた口が塞がらない。

「私、明日も仕事なんですが」
「僕も仕事だ」

前回と同じ内容がリピートされる。

「何だ、和食は嫌いか?」
「いえ、どちらかと言えば一番好きです」
「そうか、僕もだ。初めて意見が合ったな」

イヤイヤ、論点がズレている。

「どうして、わざわざ現地なんですか! 北海道を食べ尽くすなら、近隣にもたくさんお店があると思いますが」

葛城圭介は何を言っているのだ、という顔をする。

「現地で食べることに意義がある。この間、飲茶が食べたくなって香港まで飛んだぞ」

ーーこの人こそおバカだ、と思っていると、「常識だろ」とシレッと宣う。どこの国の常識だ!