君の背中に見えた輝く翼に、私は恋に落ちました
始まりの日

ピピッ…ピピッ…

めざましの音で目を覚ます

「ん〜…」

ベットの上で大きく伸びをして、
ゆっくり起き上がった。

カーテンの隙間からもれる暖かな光と
きれいな水色の空。

「今日もイイ天気だなぁ〜…」

新しい日々のはじまり…
絶好の入学式びよりだ!

壁に掛かる真新しい制服を眺めて、

顔がニヤける。

だって!すっごく可愛いんだもん!

紺色のジャケット、真っ白なシャツに

赤のリボン、ベージュ地に赤と深緑の

線が入ったチェック柄のプリーツスカート。

わたしは傍らに置いてある義足を装着し、

ベットから出て身支度の準備に取りかかる。

わたしは足取り軽く1階の食堂へ向かった。

そこにはいつもの顔ぶれが揃っている。

「おはようー!みんな」

「おはようー!るうちゃん!」
元気よく返事する女の子、人懐っこくて
クリクリおめめが可愛い凛ちゃん。

「…おはよ、るうちゃん」
控えめでシャイな照れ屋の蓮くん。

ちなみに凛ちゃんと蓮くんは
二卵性の双子で、今日から小学1年生。

「うーっす」
真っ黒な短い髪をワックスで
ツンツンさせて、制服をだらっと着崩した
見た目がチャラい中学2年生の太一。

「おはよう、流羽ちゃん」
柔らかく微笑む笑顔が素敵な
園長先生の愛子さん。

わたしたちの親代わりであり、
この【光ヶ丘ホーム】の園長先生だ。

光ヶ丘ホームは愛子さんと
亡くなった旦那さんで作った
児童養護施設。

いろいろな事情を抱えた
身寄りのない子供達が暮らすところ。

わたしにとっての【お家】で、

大切な居場所なんだ。

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