記憶を失くした少女【完】

病院のベッド




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「……………ん………。あれ……?」


目を覚ますとそこは病院のベッドの上。


隣の机にはさっき買って来たのだろうか、まだ開けていないペットポトルのミネラルウォーターが置いてあった。


「包帯………?なんで??」


違和感を感じ頭に手をあててみると、包帯らしきものが巻かれていた。

そういえば、体もどことなく痛い気がする。


取りあえず喉が渇いた私は、近くにあったミネラルウォーターに手を伸ばした。


______ゴク……ッ……ゴク……ッ………。


「………………っぷは!それにしても誰もいない………」


6人部屋だというのに、ベッドを使っているのは私だけみたい。


そして、私以外に人がいないからシーンとしてる。


「何で私はこんなとこにいるの?」

何となく落ち着いてきた頭で今の状況を考えてみる。

私はさっきまで何をしていたのか。

何でここにいるのか。


だけど、いくら考えても思い出せない。


「名前………は?」

名前さえも。



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