イケメン医師は今日も新妻が可愛くて仕方ない

あれよあれよと、伊吹のテリトリーに囲われた私。

しかし、そうなる様に決めたのだから後悔も文句もないけれど。

段取り良すぎじゃありません?
どんだけ用意周到だったの、このイケメンは!

ぽかんとしつつ、何度か遊びに来てはいた室内を見回していると荷物を運んでる伊吹が声を掛けてきた。

「ちょっと疲れたろ?そこのソファー座ってろ」

そう声をかけて伊吹は私の荷物をリビング左の書棚スペースに運び、服などはその側のドアを開けた寝室に入れていく。

さすがに下着とかもあるから、ボケっとしてた私も慌てて後を追う。

「ちょっと!服関連は自分でしまうから!!」

そう声をかけると、伊吹も納得したのかうなずくと言った。

「そうか、じゃあ他のもの車から持ってくるな」

そうニコニコと笑いながら出ていくのでクローゼットを開けてみると右半分に伊吹の服があり、残り半分が私用みたい。
クローゼット用の衣装ケースも下の方に置いてありハンガーラックも半分空いていたのでハンガーごと持ってきたのはごそっとそのまま掛ける。

そして鞄に詰めてた下着などは、衣装ケースに入れていく。

ここを見るだけでも、一緒に暮らす準備を伊吹が整えてから迎えに来てくれたのがありありと分かる。

あのイケメンの用意周到さと、行動力には逆らえない。

でも、伊吹の趣味だけれど所々に私の好きな物がある。

インテリアに置かれた鉢植えの花だったり。
衣装ケースとかも、私が使ってたメーカーと同じもの。

ホント抜かりないのだ、私の旦那様になった幼馴染みは。
< 10 / 64 >

この作品をシェア

pagetop