残念なイケメン、今日も我が道をゆく
諦めの悪さも逸品だった、折れたと言うか落ちました
そうして、少しざわついたけれども仕事中である、すぐに落ち着き私はその間に仕事に没頭した。


そうして迎えた定時。
今日は要領よく仕事を負えられたので、たまには定時で帰ることにすべくパソコンをシャットダウンしていたら


「江崎さん、もう上がるんでしたら一緒に帰りませんか?」


後ろからかけられた声に、内心の驚きを押しとどめつつ振り向いた。
そこには、先程のしょんぼりはどこいった?というイケメンの強烈な笑顔があった。


「普通、ここで声掛けてこれない気がするのに・・・」


そう、呟くと


「普通はそうかもしれないですね。でも俺、諦め悪いんです。江崎さんの事は簡単には諦めてあげられないんで、覚悟してください」


爽やかな笑顔で告げてくる言葉は強い。
なんか、意地になってると言うか。
歳下だからとか、美形すぎるからとか。
何かと言い訳並べて考えないようにしてたのは、私だ。
それって、きちんと向き合ってなくて対人関係としてはかなり失礼な気がした。
御堂くんは、いつでも真剣にこちらに向き合って、言葉を伝えてくれていたのだから。


「そうね、今日は一緒に帰りましょうか?ご飯はそこそこ美味しいところに連れてってくれるのよね?」


そう、私の今の顔は仕方ないなって感じの苦笑。
それでも、これが私が今出来る精一杯。
私の恋愛スキルは低いのだから。

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