酔ったら、
酔ったら、後日談



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「宮地さん。先日の忘年会でのこと、忘れていただきたいと思いまして──」

「断る」



悪酔いしてしまった、あの忘年会から日曜日を挟んで、月曜日がやって来た。

私は、先輩を夜ご飯に誘った。

一般的な居酒屋さんに。

せっかく居酒屋さんだが、今日は飲まないつもりで、ここへ来た。



「せめて、あの時に晒してしまった醜態だけでも、忘れてください」

「嫌だね」

「お願いします!」

「断固拒否する」



頑なな先輩に、心が折れそうになる。

私が今日、先輩を呼び出したのは、改めて話をしたかったからだ。

あのとき意識だけは、はっきりしていたとは言え、展開が急過ぎる。

その上、情けない姿まで見せてしまって。

せっかくの忘年会で、あれだけ人が騒いで賑やかな雰囲気の中で、楽しくお酒が呑める場所であったのに。

そこから、わざわざ抜け出して、私の隣でただそっと寄り添ってくれた。

そりゃ、自惚れてしまいたくもなった。

だけど、先輩が私のことを気に入ってくれていたなんて、初耳だ。

突然、そんなことを言われても、少し疑ってしまう。

忘年会を終えた翌日の日曜日にも、先輩は宴会という雰囲気に、毒されていたのでは?とずっと考えていたのだ。
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