呆れるくらいに君が恋しい。

水嶋 咲夜ver


──「俺と付き合って。」
小さく、小さく、頷いた先輩が
どうしようもなく愛しくて
優しく抱き締めた。
「…佐和田のこと、」
先輩の小さく消え入りそうな声を
聞き漏らさないように耳を傾けて
先輩を優しく包み込む。
「佐和田のこと、好き。
でも困ったとき、真っ先に、
水嶋くんの顔が浮かんで、
水嶋くんを、無意識に頼ってて、
甘えてばかりじゃ、ダメだなって思って、
一回離れようとしたけど、無理、で、
佐和田のこと、好きなはずなのに
水嶋くんの行動にドキッてして
いつの間にか水嶋くんのこと探してて、」
そう言った先輩は、
俺のことを困った顔で見つめて
「ねぇ、これってどういうことかな?」
って聞くから
「本気で言ってる?」
って聞き返す。
小さく頷いた先輩を今度は強く抱き締めて
「それは俺のこと好きってことだよ。」
そう言って今度は本物の先輩に
優しく甘いキスをした。
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