紅の葬送曲

《凌side》



『ごめんな、凌……』




病床の父さんが俺の頭を撫でた。




『お前にこんな運命を背負わせてごめんな……』




辛そうな父さんの声に覚えがある。




これは俺の記憶だ。




『俺が……俺達が終わらせるべきだったのに、お前達にも背負わせてしまった……』




父さんの声が震えている。




別に俺はこれが自分の運命だと思っているから自分の運命を悲観しない。





でも、父さんは違った。





自分の死が近いというのに、子供である俺の心配をしている。




『凌、生きろ……。運命に抗え』




生きろ?




俺は生きていたいのか?




いや、分からない。




俺は運命に抗ってまで生きていたいのか──?







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