Xmas。
クリスマス



イルミネーションでキラキラと光る街。

いつもは暗い夜が明るくなる日。
ま、まだ夕方だからそんな暗くないけど。




「クリスマスかあ…」



私には関係ない行事だな。

なんてったって24日も25日もバイトだし。



楽しそうなカップルを横目にマフラーに顔をうずめ、コートのポケットの中のカイロを握る。



小さくため息をつきながら路地の方へ足を進め、街の隠れ家的なお店の扉に手をかけた。



「おはようございます〜」

「お、あずー!おはよ!」

「悠さん今日出勤してていいんですか」



開店前の店の厨房からひょっこり顔を出した店長。

イケメンで彼女がいそうなのにいない、私の好きな人。



「まあ…サミシマスですから」



おたま片手にシュン…としている30歳の男の人を見て可愛いと思ってしまう私は色々やばいんだろうな。





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