嫌われ者の怪物と空っぽの少女
5:二人の幸福論
マユは走った。

ずっと走った。宛もなく走った。


誰に止められようと、腕を掴まれようと、思いきりふりほどいて、必死に、必死に、走った。





「……っはぁ……はぁ…」




……やがて辿り着いたのは、古びた教会だった。




「教会…確か、神父様…がいらっしゃるのよね、」




コンコン、と白い扉をノックした




キィと音を立てながら扉が開く




顔を出したのは、綺麗な神父服を着た神父様だった




マユは、少し身構えた。神様、というものを一番信じている方だから。





「……おや、マユちゃんじゃないか」



「っ……」



「私は、君の味方だよ。」




神父様はマユに優しく微笑みかけ、教会の中へと案内した。


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