人面瘡
湯船につかっているあたしは雄生との幸せな時間を思い出し、顔がにやけていた。


ジンクスを始めてから自分の行動に自信がつくようになった気がする。


普段なら雄生を遠くから見つめているだけだったのに、今では積極的に話しかけることができる。


それだけでも大きな進歩だった。


湯船から上がり、脱衣所で体をふいていると絆創膏がはがれてきていることに気が付いた。


傷はそろそろ良くなっているかもしれない。


ちょっとした擦り傷だったし。


そう思い、絆創膏をはがして傷を確認した。


「え?」


傷口を見た瞬間、顔を顰める。


傷口はまだ塞がっておらず、それ所か黄色いウミが出てきているのだ。


化膿してしまったのかもしれない。


あたしは手早くパジャマに着替えてリビングへ向かうと、救急箱を取り出した。
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