イジワル同期の独占欲に火をつけてしまいました
明らかに失策
 




月曜日。


にぎやかな社員食堂の長テーブルの上には、小鉢のサラダときつねうどん。
あまい汁が染みこんだ、このあつあつのおあげが大好きな私は、いつもなら一番に箸をつけるのに、今日は湯気を立てるどんぶりを前に神妙な表情で口を開く。

私の正面に座りパスタを食べるスミレさんに、拓海の家にご飯を作りに行くことになってしまったと報告すると、彼女はもぐもぐと口を動かしながら目を丸くした。

「え、なんでそんなことに」
「いやがらせですよ。枕で殴られたことを根に持って、しかえししようとしてるんです」

きっと、ねちねちと陰湿ないやがらせをされるに違いない。

料理のほかにもついでに部屋の掃除をしろとか、疲れたから肩を揉めとか、ビールを飲みたいから買って来いと命令したりとか。

奴隷のようにこき使われるにきまってる。


 
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