「……っん……」

触れるだけの優しいキスから急に、舌を差し込んでくる激しいキスへと変わる。

「……っぁ……んっ……」

それと同時に、私の身体は熱を帯びていく……。

今までに感じた事のない快楽が押し寄せて、身体に力が入らない。

(駄目……もう、立っているのが……やっと……っ)

彼の香りと私の苦手な煙草の匂いが混ざり合う中、


快楽の海に溺れ、私の意識はどんどん遠のいていく――……




私のハジメテは、優しくて、でも少し強引な年の離れた大人の彼に…………奪われたのだ。




















「離してくださいっ!私、そんなつもりじゃっ!!」

「ここまで来てそりゃねぇだろ?」

夜の繁華街……というかホテル街。
あるホテルの入口で私は中へ連れて行かれそうになるのを必死に抵抗していた。

「でも……私は……そんなつもりっ」

「タダ話すだけで抜け出す訳ねぇじゃん。ちょっと考えりゃ分かるだろ?」



友達にどうしてもと頼まれて人生初の合コンへ参加した私は今、最大のピンチを迎えていた。
今目の前に居るのは、共に人数あわせの為に呼ばれた慣れないもの同士という事で意気投合した私より2つ年上の男の子。

優しくて、誠実そうで、安心しきっていた私は彼に『一緒に抜け出してどこか別の場所に行かない?』と言われ、すんなりOKしてしまった。

抜け出して暫く外で話をしていた私達。
外は冷えるからどこか室内に入ろうという事で繁華街までやって来たのだけど、何故かお店を通り過ぎ、気付けば怪しい雰囲気のお店が立ち並ぶホテル街へ来ていて――

中へ連れ込まれそうになっていた。



「分かりません!とにかく、私は帰ります!」

「ふざけるなよ!」

「きゃっ……」

怒りをあらわにした彼が手を振り上げ、私は殴られる事を覚悟して咄嗟に目を閉じた。


けれど…

「痛ぇ!!何だよお前!!」

「!?」

痛みを感じるどころか、寧ろ何故か彼が痛がっている声に驚き、恐る恐る目を開けた。


すると

「おい、みっともねぇと思わねぇのか?嫌がる女を無理矢理連れ込もうとしてんじゃねぇよ、このクソガキ!」

見知らぬ男の人が彼の腕を掴みながら怒鳴っていた。

「っクソ!何だってんだよ!」

そんな男の人の行動に興ざめしたのか彼は逃げるようにこの場を去って行った。


「…………」

「大丈夫か?」

男の人は呆然と立ち尽くす私に声を掛けれくれる。

「……あ、はい……あの……助けてくださって、ありがとうございます」

「それはいいけど、お前その気もねぇのにのこのここんな時間に男付いてこんな場所来るなよ」

「……すみません……こういった事、初めてで……まさか、こんな事になるなんて思わなくて……」

そう私が口にすると

「マジかよ…………ったく、面倒な事になった……とりあえず、ここでお前1人帰したらまた同じ様な事になるって事が分かったわ。お前、名前は?」

「え?あ、私は冷泉 明日香(れいぜん あすか)です」

「明日香か。俺は神楽 湊(かぐら みなと)。近くで会社を経営してる……俺を信用するって言うなら家まで送るが……どうする?」

「…………」

見ず知らずの男の人。

またさっきみたいな目に遭う危険だってある……。


けれど私は、

「……お願いしても、いいですか?」

迷うことなくそう口にしていたの。

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年の差  イケメン  社長  溺愛  強引