【漫画化作品】白昼悪夢〜引きずる老婆
白昼悪夢

「あらまあ! しばらく見ない間にずいぶん大きくなったこと!」

「長旅で疲れたでしょう? ほら、足伸ばしてゆっくりして」

「大丈夫だよ。 長旅っていっても新幹線で二時間だし」

「ええ、 たいした距離じゃないですよ」


リビングに飛び交う弾んだ声。

お盆休み。

いなか町にあるお婆ちゃんの家には私の家族を含め、複数の親戚家族が集まっていた。



「ほんと、 一年って早いよね」
「ヨシくんなんて、こんな小さかったのに」

「来年はもっとも〜っと大きくなる!」

「お! それは楽しみだな〜!」


お婆ちゃんを囲み、いつもより高い声で話す両親と親戚たち。

止まらない笑い声を尻目に私だけは会話に混ざれず俯いている。


……頭が、 痛い……


我慢していた体調の悪さが隠しきれなくなっていた。
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