只今上司がデレデレちゅぅ！！〜溺愛上司に愛されて〜

第2章

同居生活その1

美羽が悠哉の家に住むようになって早数ヶ月。

何故か以前の美羽より疲れているように見えた。

「どうしたの！？美羽」

その変化には桃歌も驚いた。

「な、何をするにも監視をされている」

悠哉は美羽に何もしなくていいと言った。

しかし、いつも自分のことは自分でしてきた美羽にとっては酷なことだった。

「疲れてるのね…」
「桃歌〜…」

美羽は甘えるように桃歌に抱きつく。

「そこ！イチャイチャしない！」

注意するのは目の前の響輝。

そう…美羽と桃歌は仕事内容は変わらないが、秘書課に異動になったのだった。

「響輝、あまり怒っていると疲れるぞ」

悠哉が面白おかしく言う。

そんな悠哉を美羽、桃歌、響輝が睨んだ。

悠哉は3人の視線から逃げるように秘書課を出た。

「しかし、助かりました」

珍しく素直な響輝。

「いえいえ、整理は得意ですから」

桃歌はにっこり微笑みパソコンに目を落とす。

「スケジュール管理やらなんやらで忙しかったものですから…」

美羽は散らばっていた資料を集めて棚に片付けていた。

掃除まで卒なくこなす美羽。

「柊木さん、植物何か置いていいですよ」

本当、何でこんなにも態度が違うのだろうか。

「いいんですか！！何置こうかなぁ〜♪」
「美羽ー、だからって置きすぎはダメだよ〜」

桃歌に釘を刺される。

美羽は少しへこみながらもまた考え出した。

悠哉と暮らすようになってから美羽には余裕ができた。

また今までと同じ生活ができるようにもなってきたのだ。

美羽はそこに喜びを感じていた。

「柊木さん、次の休みまた出かけない？」

ある晩、お風呂から出た悠哉は美羽に話しかけた。

「お出かけですか？予定はないですけど…」
「じゃあ、決まりだね」

悠哉はそう言って楽しそうに寝室に入って行った。

「今回はどこに行くんだろう…」

不思議に思いながらも美羽は心のどこかでワクワクしていた。