アラシとナギの料理店

同じだけど、同じじゃない

クッキーの甘い香りは台所だけではなく店にいるアライグマさんにも届きました。


「おや、なんだろう」


論文に夢中になっていたアライグマさんが、顔をあげました。
漂う香りを胸いっぱい吸いこみ、「はあ」とうっとり。


「金星と同じくらい好きだな、この香りは!」


いてもたってもいられなくなったアライグマさんは台所に入っていきました。


アラシとナギはまだ温かい焼きたてクッキーを、粉砂糖の中でコロコロ転がしているところでした。
クッキーに粉砂糖で真っ白いお化粧をしてあげていたのです。


「これは!」


アライグマさんはつぶらな目を輝かせました。
それはまるで真新しい望遠鏡を手に入れたときのように、ワクワクした顔でした。
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