誰かがどこかで救われる
ミッション

目の前に大きな背中の男子。
斜め前はツンツンヘアでふざける男子。
隣は雰囲気のあるイケメン男子。

給食中。

教室の端っこから広がる四角形目線で見渡すと、私以外はみんな楽しそうに見える。とくに私を囲む男子3人は仲良しで会話も楽しそう。

孤独の孤立。
楽しい給食の時間なのに寂しい。
お盆を持って移動する人もいない。

いつも隣か後ろに女子がいて
給食の時間は机をくっつけて、一緒に楽しく給食を食べていたのに。今は会話もなく大好きなレーズンパンも進まない。もっと大好きなリンゴのゼリーも今日は輝いてない。『食事の楽しさは会話にあり』って、図書館で借りたエッセイに書いてあったっけ、その通りだと思う。

チラチラとこっちを盗み見する実花の目線を感じながら、大きな背中の伊田君の後ろに隠れる私。

席替えから3日過ぎ

まだ違和感アリアリの自分の席。

男子達とも会話もなし。




< 11 / 131 >

この作品をシェア

pagetop