ロマンスがありあまる
第2章・専務に婚約を迫られました。
――君さ、僕の婚約者になってくれない?

カーテンの隙間から差し込んできたその光に、私は朝がきたんだと言うことを知った。

窓の外では、チュンチュンとすずめが鳴いている。

まるでマンガみたいである。

心の中でそんなことを呟いた当の私は、昨日は全くと言っていいほどに一睡できなかった。

昨日の専務の言葉と顔が頭の中で反芻して、眠ろうにも眠れない状態だったのだ。

どうするんだよ…。

私はベッドから躰を起こすと、息を吐いた。

目覚まし時計に視線を向けると、後少しで7時になろうとしていた。

「――もういいや、起きよう…」

私は自嘲気味に呟くと、ベッドから出た。

とても今すぐに眠れる自信はないし、何より遅刻したら面倒くさい。

うっかり居眠りしないように、今日1日を過ごそう…。
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