ロマンスがありあまる
第7章・専務とお姉さんと私。
…この光景は、一体何でしょうか?

「まじめに業務を頑張っているみたいでよかったわ」

ストレートの茶色の髪を左に寄せている彼女に、
「そんなことを言いに、わざわざ会社まできたの?」

専務は不機嫌そうに返した。

「あら、そんなのじゃないわよ」

それに対して、彼女は不服そうに返事をした。

本当によく似ているなと、私は思った。

専務が勝ち気で自信家な性格なのに対し、彼女はおっとりとした性格である。

彼女は茶髪――専務曰く、母親譲りらしい――だけど、専務は黒髪である。

性格と髪の色は全くと言っていいほどに違うけれど、顔立ちはよく似ていると思った。

…そりゃ、そうか。

目の前にいる彼らは、姉弟なのだから。
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