マザコン戦士

ムーミン谷

斎藤｢みよちゃん、新婚旅行、どこに行きたい？｣

みよ｢うーん、ムーミン谷かな。｣

斎藤｢あ、ムーミン谷ねぇ。いいよね。｣

みよ｢あたし、そこの生まれだから。｣

斎藤｢は。｣

みよ｢懐かしいなぁ。ムーミン谷。｣

斎藤｢いやいやいや、みよちゃん。大阪出身だよね。｣

みよ｢うん、そだよ。ムーミン谷、大阪にあるから。｣

斎藤｢いや、ムーミン谷は大阪にはないよ。｣

みよ｢いや、あるよ。あたし、ムーミンに育てられたもん。ムーミンにいじめられたし。｣

斎藤｢いや嘘つくんじゃないよ。みよちゃん。ムーミンいじめないだろ。｣

みよ｢確かに。あれは、芸人的には、高度ないじりだったのかも知れぬ。｣

斎藤｢いや何の分析だ。そして語尾なんだ。｣

みよ｢語尾のことは言わないで。ゴビ砂漠。｣

斎藤｢なに被せて来てんのよ。｣

みよ｢おいでませムーミン谷。｣

斎藤｢いや大阪にはないでしょうよ。｣

みよ｢あるよ。至るところに。そこかしこに。ありすぎて困ってるくらいだ。｣

斎藤｢いやどんなんだよ。｣

みよ｢もうムーミンの谷すぎて、もうこんなんなんだから。｣

斎藤｢いや大阪、そんなに起伏ないでしょ。わりとフラットでしょ。｣

みよ｢フラッペチーノを頼むっていうんかい。｣

斎藤｢いうとらんでしょうよ。大体おかしかもん。新婚旅行やいうてんのに、実家がムーミン谷で、ムーミン谷行きたいっておかしかろうよ。｣

みよ｢ぎくり。｣

斎藤｢ぎくりつったね。今ね。犯人だね。｣

みよ｢プリンを食べたのは私です。｣

斎藤｢プリンは食べてないだろ。｣

みよ｢これからムーミン谷に行って食べる。｣

斎藤｢どんな絡ませ方してんだよ。｣

みよ｢カラメルソースだけに。｣

斎藤｢やかましゃ｣




おわり