20代最後の夜は、あなたと
「ちょ、ちょっと待ってください」


ムリムリ、課長と丸一日一緒なんて、耐えられない。


「なんだ」


「え、えっと、金曜は用事があったような・・・」


「さっき、予定ないって断言したじゃねーか。


嘘ついてたのか」


「え、いや、その、何て言うか・・・」


「じゃあ、総務に言って新幹線のチケットをとっておけよ」


霧島課長は、振り返りもせず会議室を出ていった。


私は、あまりにも突然の出来事に、呆然として立ちすくんでいた。


デスクに戻った私の表情があまりにも暗かったのか、誰もふれようとしなかった。


伊勢くんだけが心配そうな顔して、


「宮本、大丈夫か?」


って小声で聞いてくれたけど、無言でうなずくのが精一杯だった。


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