20代最後の夜は、あなたと
デートその1
「あのさー紗和、それってセクハラだよ!」


「ですよねー」


「イケメン弁護士、紹介する?」


「いいよそんなの」


「で、課長にガツンと言ってやったわけ?」


「セクハラです、とは言った」


「それだけ?」


「うん」


「紗和、もしかして課長のこと好きなわけ?」


「そんなわけないじゃん!」


「なんか言われたんだ」


「人生初の一目惚れ、したんだって」


「課長が紗和に?」


「当たり前じゃん、私はああいうタイプ好みじゃないし」


「ふーん」


「なによ、その反応」


「一目惚れしたとか言われて、ちょっと嬉しかったんじゃないの?」


「なんとも思ってない人に言われても、嬉しくないし」


「そのわりには、顔がすんごいニヤけてるんだよなー」


「ニヤけてないし!」


「まあいいや、課長になんかごちそうしてもらいなよ」


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