20代最後の夜は、あなたと
デートその2
つりそうなほど手を伸ばして、目覚まし時計をたたいた。


カーテンを少しだけ開けて外を見ると、朝からギラギラした太陽が照らすまぶしさにやられそうになった。


昨日のナイター、楽しかったな。


だけど、伊勢くんは少し変だった。


なんか、気を悪くさせるようなこと、私が言っちゃったんだろうな。


それにしても、今日霧島課長はどこへ行くつもりなんだろ。


うがいをしてから、グレープフルーツジュースを飲むのが毎朝の習慣で、それからシャワーを浴びて目を覚ます。


洗濯機がまわってる間に簡単な朝食をすませ、部屋干しして、身支度をはじめた。


「どこに行くのかわかんないんじゃ、服も決めらんないよ」


一人でブツブツ文句を言っていたら、まるでそれを見越していたかのように、霧島課長からメッセージがきた。


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