彼女の真意

聞いてしまった 駿side



偶然聞いてしまったみあと高橋の会話。

みあ、ずっと好きな人いたのか・・・。しかも、悠斗先輩みたいな人が好きなわけじゃなかったんだ。
なんか、ばかばかしくなってきた。
みあの目にうつりたくて、部活も勉強も頑張って、悠斗先輩にちょっとでも近づこうとしてたのに。意味ないじゃん。
『お兄ちゃんみたいな人』って答える理由が、あの時のことが原因だったとか……。

「絶対に俺じゃない。仲はいいけど恋愛対象じゃない。」
まわりから、俺じゃないかって言われて期待しそうになる自分をごまかしたくて、みあにあり得ないって言われるのが怖くて、そう言った。

ほんとは、みあのことはずっと好きだった。
俺のすることでうれしそうに笑うみあがとてもかわいくて、いつもそばにいた。

あの言葉の後、みあは俺の言葉に笑顔で同意してた。
やっぱり俺のことはなんとも思ってないとわかって、少し悲しかった。

少しずつでも俺のことを意識してほしかった。

あれから、何度かみあが告白されては断ってるのは噂で知ってた。いつからか好きなタイプが『お兄ちゃん』になってることも。みあの好みに近づけば、少しは意識してもらえるんじゃないかって思ってがんばった。
でも、みあは全然きづかない。
ふられるくらいなら、友達ですらいられないなら、今の関係でいいかなって思ってた。

みあには好きな人がいる。
ずっとってことは、あのときの相手か?
みあに彼氏ができたら・・・

俺はどうしたらいいんだろう。
< 3 / 8 >

この作品をシェア

pagetop