愛人契約
第5章 契約の最後
あれから毎日にように、本田さんの車を会社の前で、見かけるようになった。

でも、私の方も毎日無視していた。

本田さんも、車を降りるでもなく、私も足を止めるでもなく。

そんな事が、一週間も続いた頃だった。


「相手、見つかったわよ。」

三宅先輩が、ランチを一緒にしている時に、教えてくれた。

「今度は、どんな人ですか?」

「雑誌の編集部の部長している人。何でも、若い子と話したいんですって。」


若い子?

それは、私でもいいのかしら。


「それと話をするだけだから、報酬は少ないって言ってたわ。」

三宅先輩は、お金の事も心配してくれた。

「大丈夫です。泰介の退院の目途はつきましたし。」

私は、笑顔で応えた。

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