蜜月同棲~24時間独占されています~


「それ、俺の住所。伝えとくけど、連絡くれたら迎えに来る」

「えっ、遊びに行ってもいいってこと?」


驚いて顔を上げる。
だって、ひとり暮らしの部屋に幼馴染とはいえ一応女の私を入れていいのだろうか。


彼女とか居たら、絶対嫌がると思うし、さすがにそれは遠慮したい。


けど、克己くんは不思議そうな顔をしていた。


「当たり前だろ。遊びに来てもいいし、今日みたいに愚痴りに来てもいい」

「でも彼女とか怒るよ」


居ないはずはないよね。
そう思うくらい克己くんは「初恋フィルター」を取り除いて見たとしてもカッコいい。


たとえ今は居なくても、すぐにできるだろうと確信してしまうのだが、克己くんは笑って肩を竦めて言った。


「今は居ない」

「そうなの? でも」

「もし居ても、恋人と妹は別だろ」


ちく、と痛みを感じたのは。
ただの初恋の名残、それだけに違いない。





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