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いつでも頼っていい、とは言ってくれたけれど、もちろんそんなわけにはいかない。
そう思い、克己くんと会った翌日の日曜、私は気合を入れて朝から不動産屋を三軒廻ったが良い物件は見当たらなかった。


通勤に不便すぎる場所だったり、ファミリー用の間取りで家賃が割高だったり、ネットで調べたのと似たようなものばかり。
のんびりとはしていられないのだ、とにかく早く見つけなければと思ったのだが、間に合わせで物件を決めてしまうほどお金に余裕はない。


結局決められず、先行きへの不安を何一つ解消できないまま月曜を迎え、また一週間が過ぎようとしている。


新商品のボディーソープの販促ページ作成の為、イメージ画像を撮らなければならず、私は渋々新田さんに声をかけた。


「新田さん、物撮りお願いします」

「あー、わかった。すぐ行く」


新田さんは学生の頃にカメラを趣味でしていたので、商品撮影はほぼ彼の仕事になっていた。
プロのカメラマンにお願いできればいいのだが、うちみたいな小さな会社では少しでも経費を削減しなければいけないのが現実だ。


撮影にいつも使う部屋で、白いテーブルの上に商品と演出用小物を幾つか並べ、ライトの位置を調節する。
準備を終えた直後、コン、とノックの音がした。


振り向くと、新田さんが既にドアを開けて入ってきたところだった。



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