蜜月同棲~24時間独占されています~

差し伸べられる手

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「柚香? あんた大丈夫?」


翌日、出勤した私の顔色を見て心配したさやかが声をかけてくれた。


「あー、大丈夫。ちょっと寝不足なだけだから」


そう、結局うつらうつらとしか眠れなかったのだ。


朝目覚めても重い身体を、シャワーで無理矢理起こしてパンを詰め込むようにして飲み込んだ。
食べなければ余計に身体がもたないと思ったからだが、正直食欲もない。


パソコンを起ち上げると、共用フォルダに覚えのない画像が入っていた。
ひらくと、それは先日新田さんに撮ってもらったボディクリームの画像だった。


かち、かち、かち。
マウスをクリックして、一枚一枚確認する。


……やっぱり、上手だなあ。


商品を可愛らしく、上品に見せている。
もちろん写真だけではなく、仕事の出来る人だけれど。


会社としては、私が残るよりも新田さんにこの部署に残って欲しいのは当然だろう。
だけど、自業自得とはいえ今部署内で彼に対する風当たりはキツい。


ひとつ、ひとつ。
ボディクリームだけでなく、他の画像も確認するためクリックを押し続ける。


かち、かち。
とその音がひとつ鳴るたび、私はひとつの結論への覚悟を決めているような気分だった。


度重なる問題に、心底疲れていたのもある。
これで全部解決、のはずはないけれど……とにかく何かひとつ問題を終わらせたかった。


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