極上の愛をキミへ
「一生、言わないんですか?」

「はい。そのつもりです。だから、川口さんも言わないでください。お願いします」


あたしは、川口に頭を下げる。


「1つ、聞いても良いですか?」

「その代わり、守ってください」

「わかりました。高梨さんは、アイツの・・・晃生のこと、好きでしたか?」

「今も、好きです。たぶん、この気持ちは一生変わらないと思います」


人の気持ちなんて、わからないけど・・・

それでも、今はそう思う。


「だからこそ、朝比奈には言いません。彼には、幸せになって欲しいから」

「そうですか」

「はい。じゃ、あたしはこれで」


川口に頭を下げ、その場を後にした。

そして、次の日。

あたしは、地元へと戻った。

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