シンさんは愛妻家
調子が狂った僕は弁当を作るのをすっかり忘れてしまい、

食堂に行く事にした。


僕が副部長の榊と八木を連れて座ると、この間の救命の和田が嬉しそうに僕の隣に座る。


「常盤先生、僕明後日早く終われます」とワクワクした目で僕を見ているので、

「僕はいつでも、いいよ。
そう、深酒をするつもりはないし…」

「そうですか?ようし、誰を誘おうかな…」

「何?どこに行くの?」と八木が僕と和田の顔を見る。

「お前は来んなよ。」

「え?どこ行くの?」と榊が聞いたら和田はもちろん口を割る。

「…お姉さんがいる店。それも会員制。」と嬉しそうに和田が声を潜める。

「僕も参加です」と榊。

…君は妻がいるだろ

「じゃ、じゃあ僕も…」と慌てる八木。

「おめえは、早いだろ」と和田が口を尖らせる。

「めんどうだから、みんなで行こう。
八木くん。増田くんは同期だったっけ?」ともう1人の放射線科の医師の名前を言うと、

「増田と仲良いっす。あと西谷先輩も」と放射線科医が揃いそうだ。

「じゃあ、決まったら連絡ください。」と和田は定食をかきこみ、満面の笑みで去って行った。

「…先生、和田に何をつかまれてるんですか?」とボソッと榊が呟く。

「…教えない…」と僕が微笑むと、

絶対女絡みですよね。と八木と榊はクスクス笑っている。


…面倒くさい。








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