真心の愛を君に......。 〜 運命の恋は結婚相談所で ~
「.......」

急いでバッグから取り出したスマホの画面は真っ暗だった。

本当は胸が張り詰めていた。

ジークと話している間もずっと気になっていた。

さっきは来てなかったLINEが今は来てるんじゃないかって......。

さて、今度はどうやってテンションを上げよう。

このまま落ち込んでいったら、私は広務さんを諦めてしまいそうな気がする。

今までの私だったらすぐに諦めてた。

でも、そんな私を広務さんは変えた。

それは、たった一本の20分足らずの短い電話だった。

だけど、その電話を彼が鳴らすまでにはもっと長い時間がかかっていて。彼は私へ送ったLINEが既読にならなかった3日間、私のことを考えて待っていてくれた。

その事実が、私に彼をどうしようもなく好きにさせた......。

だから今、私は彼を求めて。こんなにも切なくて寂しい。


私は反応のないスマホの真っ暗な画面をしばらく呆然と見つめていた。

だけど、どうしても彼と繋がりたい私は焦燥感も相まって、思い切って画面をスクロールした。

すると、そこには今まで取り溜めた大量のくだらないアプリがずらっと並んでいた。

そのアプリは全て孤独を紛らわせるためのツールで、私は自分が心底惨めな女に思えた。

画面を覆いつくさんばかりの大量のアプリは、つい二週間ほど前に出会ったばかりのたった一人の男(ひと)の存在にかなうはずもなく。私は彼からLINEが来ない寂しさをアプリで紛らわせる気には到底なれなかった。

寂しさと虚しさを隠しながら、私は努めて明るいメッセージを彼に送ろうと思った。

そして、再び画面をスクロールすると急に電源が落ちてしまった。

少し驚きはしたものの。最近、度々こういった不具合に見舞われるため、私は冷静に電源を入れ直した。

そして、気をとりなおして彼にLINEを送ろうとした時、唐突に緑のランプが光った。

画面に表示された緑色の小さな四角......。

急速に早くなる私の鼓動ーー。

急ぎ過ぎて、おぼつかない指先の動き。

私宛に送られた、そのメッセージには。誤字もなく、きちんと文と文の間に間隔が空いていて。明らかに思いつきではなく、時間をかけて考えられたものだと分かった。

そして、一つだけ使われている笑顔の顔文字に。普段、顔文字なんて送らない人が私のために恥ずかしさを押して送ってくれたんだと思った。

そんな広務さんのメッセージには、誠実さと優しさと真心がこもっていた......。

「優花さん、おはようございます^ ^
昨日は突然電話してしまい驚かせてすみません。花火大会の誘い受けてもらえて嬉しいです。当日の詳しい時間などは又改めて連絡させていただきますね。優花さんに会える日を楽しみにしています。暑い日が続いていますが、夏バテや熱中症など体調は大丈夫ですか?俺は優花さんに会えると思うと自然と力が湧いてきます......」

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