真心の愛を君に......。 〜 運命の恋は結婚相談所で ~

「今すぐ会いに行くからーー」 ーー広務Ver.ーー

残業ーー。

いつものことだ。

しかし、数週間前から俺のモチベーションは変わった。

それは大切な女(ひと)が出来たからだ。

午後6時。ほとんどの社員が定時であがり、残るのは俺とほんの数人だけ。

以前は当たり前のように。多くの社員が定時を過ぎても会社に残り仕事をこなしていたけれど、今は会社の方針が変わり残業の許可が下りるのは限られた者だけ。

責任ある立場にいること、期待されていることは、もちろんモチベーションが上がるファクターだ。

しかし、案外それは無機質なもの。

彼女と出会い、俺の胸の中に彩りが加わった。

時計を見ては、ただ時間に追われていた俺が、今は一人の女性の一日に想いを馳せている。

午後6時。彼女は仕事を終えただろうか?

これから彼女はどう過ごすのだろう?

今日の夕食は?

結婚したら彼女は会社帰りに買い物をして、それから家に帰り夕食の準備をして、俺の帰りを待っていてくれるのだろうか?

それとも、彼女は専業主婦になっていて、毎日俺の帰りを待っていてくれるのだろうか?

だとしたら、早く仕事を片付けて彼女の待つ家へ帰らなければ。


君が寂しくないように......。

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