真心の愛を君に......。 〜 運命の恋は結婚相談所で ~

「彼女の涙」 ーー広務Ver.ーー

三ヶ月前。彼女と初めて会った時、俺の恋心を一瞬にして奪った彼女の透明な笑顔。

それから、三ヶ月。俺は彼女の色々な表情に出会った。

驚いた顔、戸惑った顔、、困った顔、そして、泣き顔......。

彼女の涙は、笑顔と同じく透明だった。

それは、まるで胸に潜む未だ少女のままの純真な心が、大人の女性に成長した彼女の頬を伝い流れ出てきているようだった。

今夜、俺がこの目で見て、この手で触れた彼女は、真合ことなき魅惑的な大人の女性の姿をしていた。

淡雪のように白く柔らかな素肌、甘く切なげな吐息、嫋やかな仕草......。

俺は夢中だったーー。

だからこそ、重なり合った唇に一筋の涙が触れた時、俺は酷く焦った。

彼女を夢中で抱きしめる余り、知らず知らずの内に彼女を傷つけるような事をしていたのではないかと。

頬に流れた涙を指先で拭い、彼女を胸に抱き寄せても止まる事を知らない透明な涙に、俺の胸は冷たく濡れて心はギリリと痛んだ......。

ギリリと痛む俺の心よりも、遥かに痛ましい悲鳴を上げて泣いている彼女の心を抱きたくて、問いかけた涙の理由ーー。


「俺は、いなくならないよ。ずっと優花の傍にいて、愛してるって伝え続ける。言葉でも、行動でも、仕草でも、優花が見るもの、触れるもの全部で」

ようやく彼女は微笑んでくれた。

俺の胸に抱かれて頬を寄せて、愛らしく微笑む彼女に強い庇護欲が込み上げた。


これからは、君の頬を濡らす代わりに、いくらでも俺の胸を濡らして欲しい。

俺が君をずっと守っていくから、どうか透明な笑顔だけは、決して失わないで欲しい。

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