イミテーションラブ
同僚か彼氏か
…私ってなんだろう
ただの同僚?
成り行きで関係を持っただけの都合のいい女なのだろうか?
付き合ってると思っているのは私だけで、田崎にとっては何でもない恋の駆け引きなのかもしれない。
私以外の女性に好きと言ってた言葉が耳を離れない。
可愛いという言葉も、優しくて綺麗という言葉も自分に言われたことじゃなくて、違う女性に向けられたのがショックで、怒りよりも悲しみが襲った。
裏切られたような気持ちになり、涙が溢れる。
こんな顔は誰にも見られたくない。
すぐにトイレに駆け込んで、冷静になるまで心を落ち着かせる。
目が少し腫れぼったくて、濡らしたタオルを目にあてた。
暫くして、携帯にメールが入った。
英里奈先輩からのお昼のお誘い&心配メールだ。
戻ってこないから心配してたみたいだ。
体調が悪くてランチに行けないと返信して、帰りにコンビニでおにぎりを買って来てもらえるように頼んだ。
今日は田崎とは顔を合わせたくないと思った。
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