包み愛~あなたの胸で眠らせて~
彼の顔を見るなり、紙袋を差し出す。
「お疲れのところ、ごめんなさい! チョコをたくさんもらったから、お裾分け。明日から留守にしてしまうだろうけど、賞味期限は長いから帰ったら食べて」
一気に話してから、広海くんの反応を窺い見る。彼は私と紙袋を交互に見てから口を開いた。
「賞味期限が長いなら、別に今でなくてもいいのに。でも、そういうところは昔と同じだね」
右の口角をあげて、微かに笑う広海くんに私の心臓は揺れた。昔の私を思い出して笑ってくれたのが嬉しい。
私も同じように昔の広海くんを思い出す。いつも無茶なことをいう私を笑ってくれた。どんな時でも私を分かってくれていた。
そんな彼に私は信頼を置いていた。
だから、チョコはすんなりと受け取ってくれるものだと思った。
しかし、思惑は外れる。
「ごめん。いらない」
「え? チョコ嫌いじゃないよね?」
「チョコは好きだけど、いらない」
理由を聞こうとしたけど、帰れという目で訴える圧力に負けた。
肩をガックリ落として「おやすみ」とだけ呟いた。拒否されて長居は出来なく、チョコを抱えて帰るしかなかった。
「お疲れのところ、ごめんなさい! チョコをたくさんもらったから、お裾分け。明日から留守にしてしまうだろうけど、賞味期限は長いから帰ったら食べて」
一気に話してから、広海くんの反応を窺い見る。彼は私と紙袋を交互に見てから口を開いた。
「賞味期限が長いなら、別に今でなくてもいいのに。でも、そういうところは昔と同じだね」
右の口角をあげて、微かに笑う広海くんに私の心臓は揺れた。昔の私を思い出して笑ってくれたのが嬉しい。
私も同じように昔の広海くんを思い出す。いつも無茶なことをいう私を笑ってくれた。どんな時でも私を分かってくれていた。
そんな彼に私は信頼を置いていた。
だから、チョコはすんなりと受け取ってくれるものだと思った。
しかし、思惑は外れる。
「ごめん。いらない」
「え? チョコ嫌いじゃないよね?」
「チョコは好きだけど、いらない」
理由を聞こうとしたけど、帰れという目で訴える圧力に負けた。
肩をガックリ落として「おやすみ」とだけ呟いた。拒否されて長居は出来なく、チョコを抱えて帰るしかなかった。