愛され新婚ライフ~クールな彼は極あま旦那様~
エピローグ



五月晴れというには暑いくらいの陽気だった。
雲はなく眩しい光が差し、気温は昼頃には30度近くなるそうだ。

私と高晴さんは木製の重厚な作りのドアの前に並んで立っていた。
私の腕は高晴さんの腕に絡められている。聞こえる賛美歌。ドアがゆっくりと開き、私たちの前にはバージンロード。祭壇には神父さん、聖歌隊がいるだけで、参列者はいない。

都内のホテル、ウエディングチャペルに私と高晴さんはやってきていた。
ふたりきりで結婚式をやり直すために。

高晴さんは準礼服のスーツ、私は新調した白のワンピース。髪はアップにし、ショート丈のベールを被せてもらう。小さなオーバルブーケはホテル側が用意してくれた。

バージンロードを並んで進み、祭壇の前で正面を見据えた。ステンドグラスから注ぐ光がとても綺麗。若い神父さんがカタコトの日本語で結婚の誓いを朗読し始める。

「汝、榊高晴、あなたは健やかなる時も、病める時も、常にこの者を愛し、慈しみ、守り、助け、この世より召されるまで固く節操を保つ事を誓いますか」

高晴さんがよく通る声で答える。

「はい、誓います」
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