お兄ちゃん、好きでいてもいいですか?
義理の兄

恋⋯⋯しちゃダメですか?

私は亜希。

16歲、高校一年生。

未だに私は「恋」というものを知らない。

「恋」を知るのはずっと先だと思っていた。

今日もいつも通りの朝。

「言ってきまーす!」

玄関のドアを開けお母さんに向かって言った。

お母さんは「行ってらっしゃ~い」と鼻歌交じりに返事をした。

今日のお母さんはやけにテンションが高い。

しかも朝からバタバタと忙しそうにしている。

朝早くから掃除機をかけ雑巾がけまでして。

いつもは掃除なんてあんまりしないのに⋯⋯。

誰が来るのかな、なんて能天気に考えながらドアを閉めた。

学校に着き、靴箱に靴を入れようとしていると⋯⋯

「おっはよー、亜希!」


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