エリート弁護士は契約妻への激愛を貫きたい
「しかも明日、その相手と会わなきゃいけなくなって、本当は断りたいのに家の事情で断る事もできない状況で私、どうしたら……」

凛華に話し出したら今まで溜め込んでいた感情が一気にこみ上げてきて思わず、言葉に詰まった。

『紗凪、私がついてるから大丈夫。だからあまり思い詰めないで?』

そんな私を慰め励ましながら私の話を聞いてくれた凛華。私は今日あった全ての事を凛華に話した。

かれこれ二時間あまりその電話は続いただろうか。凛華に話を聞いてもらって少しだけ気持ちが落ち着き始めた気がする。

『兎に角、こうなったら会ってみるしかないよ。もしかしたらご両親が言うように本当にいい人で紗凪の運命の人になるかもしれないよ?』

「凛華は本当にポジティブだよね」

『出会いはどんな形であれ大事だよ。だからそんなに深く思い詰めないでひとまず明日会ってみなよ?』

「うん、分かった。凛華ありがとう……」

親友の励ましのおかげで数時間ぶりに笑えた私。もう泣かない、悩まない、そう心に決めて私は眠りについた。
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