あれから、たまちゃんも一目惚れをしたという鍛冶君に会うべく、ちょくちょく家に差し入れと言いつつ暇さえあれば来るようになった。

元々天真爛漫な性格が似ているからか、よく2人並んで縁側に座って喋りこんでいた。

楽しそうに話す鍛冶君の横顔を見るたまちゃんの目は女の子そのもので、見ているこっちが恥ずかしくなるくらいだ。


「あの2人、上手くいくといいなぁ~」


ふふっと思い出し笑いをしながら、玄関を出て山までの道のりを歩く。

鍛冶君の言う通り、確かに1人で山に入るのは少し怖いけど、そんなに奥に入らなければ問題ないだろう。

なにより、2人が喜ぶ顔が見たいし。

いつも私が作った料理を残さず食べてくれる2人の姿を思い出すと、自然と笑みが零れる。


「よ~し、頑張るぞ~」


拳を空に突き上げながら、えっさほいさと山をかき分けて前に進む。

家のすぐ後ろが山だから、簡単に入る事ができた。

自分1人だけだと間違いなくこんな事しないけど、喜んで食べてくれる人がいるだけで、頑張れる。

案外、この仕事に向いてるのかな、なんて考えながら山道を進んだ。