クールな御曹司の契約妻になりました
主人の秘密。
『新婚旅行に行きたい』

私のワガママな提案から数時間、私は飛行機の中に居た。

私の隣には、もちろん千裕さん。


「行こうか、新婚旅行」

私の提案を最初は驚いた表情を浮かべた千裕さんだったけれど、小さく笑ったかと思うと、そこからの手続きは驚くほどに早かった。

さすが、千裕さん。

そう感心している間に、飛行機を手配して、荷物をまとめて、あっという間に空港だった。


どうやら成松さんがすぐに動いてくれて、手配してくれたのはファーストクラスの席。

生まれて初めてのファーストクラスに私はなんだか落ち着かなくて、さっきからそわそわしている。

そして、飛行機の隣に居る千裕さんはというと、きっと疲れ果てていたのだろう。

泥のように眠っている。

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