『会いに行ける王子』こと
富樫真吾課長の意外な秘密を
知ってしまいました。
大丈夫です、課長。
法務部勤務6年目になる私、橋本詩織。
情報守秘にかけては自信があります。
「君が彼女になってくれるなら、助かる」
その微笑みに流されて
いわゆる偽装彼女になってみたものの
課長は多分少し勘違いしている。
私はちょっと残念なタイプの女子だ。
「君は、君のままで完璧だよ」
「詩織は俺の女神だよ」
それはちょっと買い被りです。
甘い言葉と優しいその手で
私を手懐けていくあなたは
きっと、自分の魅力の罪深さを知らない。