輪廻ノ空-新選組異聞-

蘭丸始動

三人の後をついて行こうとした。
けど…沖田さんは、私が先に行ったふたりの後を追うまで動かない。

「どうぞ?」

「いえ、私が最後尾で」

そうですか、分かりましたよ。
女は男のうしろについて行くものじゃないの?この時代。とか心の中で呟いてハッとした。

「男、か…」

蘭丸とか…なんか…ボーイズラブに出てきそうなカワイ子チャンな名前なんですケド…。たしかいたよねぇ、史実にも。織田信長の家臣だ。さすがに織田信長ぐらいは知ってる。ホモだって嬉しそうに腐女子な友達が教えてくれた時に聞いた家臣の名前が…蘭丸。

おいおい…大丈夫ですか、私。

っ…!!

「ぎゃわっ」

あると思って踏み出した床がなかった。
落ちそうになった体がふわりと浮いて止まった。

「混乱しているのでしょうが、足元ぐらいしっかり見て歩いて欲しいな」

頭上の声に顔をあげた。
両脇から私を抱えるようにして支えてくれた沖田さんの顔が…近っ!!

「す、すみませんっ、気をつけます」

じたばたともがいて自分の足で床を探って立ち上がった。
縁側の曲がり角をまっすぐ進んじゃったんだ、私。

「声…おなごみたいです」

ぼそっと指摘されて。

気を引き締める。
気付いたけど……人の気配はあって、いつ誰かと遭遇してもおかしくない。


「さっさとしろよ、そこの餓鬼ふたり」

トシさん…もとい、ヒジカタさんが振り返って、眉間にシワを刻んで怒鳴ってきた。

足早に玄関にいるふたりに追いついた。

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