消える世界で、僕は何度でも君に会いにいく。
しりたい

違和感、貴方はだれ




* *



梅雨が過ぎて、夏が近付いてきた。


畑中さんと知り合って、実に1ヶ月。


距離が近いというわけではないけど、それなりに良好だと思う今日この頃。



気温25度と、それなりに暑いと認識できる日曜日。


雲ひとつない晴天で、風がないからより暑さを感じる。



今日は畑中さんと映画を観る約束をしていて、午後一番に待ち合わせていた。



「お待たせ。ごめん、待った?」


ベンチに座って俯きげに何かを見ている畑中さんのすぐ側まで来て、手を振って見せる。


「こんにちは、直人くん!
まだ待ち合わせ前だし、そんなに待ってないから気にしないで」


パッと顔を上げた畑中さんは、見慣れた笑顔で明るく迎えてくれた。



見ていたのは、何かのノートみたいだ。


出会ってから気付いたけど、彼女はいつもそれを持ち歩いているらしい。


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