クールな社長の溺甘プロポーズ
◆8.溶けるほど熱く





彼となら結婚してもいいかもしれない、なんて、少しずつおとずれる心の変化。

だけどそれは、嫌な感覚ではなくて。

寧ろ、日に日に穏やかになる心が、愛しいとさえ思う。





五月上旬、連休明けの月曜日。

出張の疲れも抜けきらない中、先週の売上報告を見て、私と柳原チーフはニヤニヤと笑みを浮かべる。



手元のパソコンに表示された画面には『予算比120%』の文字。



「ふふ……やった、勝った、勝ったぞゴールデンウィークー!!」

「やったー!やりましたね!」



ゴールデンウィーク商戦は大規模なセール実施と新作の投入、キャンペーンも行い売上は大幅にアップという結果で終わった。

昨年は企画が甘くて売上落としていたし……なんとしても勝ちたかっただけに、この結果はうれしい。



「にぎやかだな。なに騒いでるんだ?」



すると、そこに声をかけてきた米田さんはにぎやかな私たちに呆れた目を向ける。

けれど今の上機嫌な柳原チーフにはなんてことない。


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