俺様社長に甘く奪われました
甘く通い合う心

 翌日の月曜日。
 出勤した莉々子はデスクの引き出しを次々に開け、中から物を引っ張り出していた。望月からもらったハンドクリームが、どこを探しても見当らない。

(……あれ? おかしいな。どこにしまったんだっけ……。確かに一番上の引き出しに入れておいたはずなんだけど……)


「莉々ちゃん、どうかした?」


 莉々子の騒ぎに気づいた志乃が、隣の席から首を伸ばす。


「はい、ハンドクリームがどこかにいっちゃって」


 もしかしたらデスクの裏にでもいってしまったのかと思い、椅子を出して下を覗く。ところが、そうしたところでどこにも落ちていない。


「ハンドクリームって、あの中国製の?」
「そうなんです。志乃さん、見かけませんでしたか?」
「ええ、知らないわ。あれきり使わせてもらっていないし」
「そうですか……」


 せっかくもらったものなのにどうしようかと、莉々子はガックリと肩を落とす。

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